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大腸 肛門科疾患のポータルサイト:大腸・COM(http://daichou.com)
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大腸癌の遺伝子分類 基本的な話
大腸癌のDNA解析 このサイトでも以前、ご紹介しましたが(「大腸癌の全遺伝子解読」)ここ数年、複数のグループの競争の末、総計300名の大腸癌の全遺伝子が解読され、DNAレベルでの分類がおこなわれました。 それは以下のように二つのグループに分けるというものです〔文献)。
英語の遺伝子名の羅列は「ご愛嬌」です。 重要なことは・・・・ 今までは「APCの変異した大腸癌」とか「MLH1の変異した大腸癌」などというように「個々の遺伝子異常の次元」で語られていた「大腸の癌化」が、より包括的な視点で整理されたということです。 つまり・・・・・大腸癌は二つのグループ(DNAの点変異を修復する機能が欠損した癌と、染色体の分離を司る機能の障害した癌と)に分けられ整理されたという訳です。 「大腸癌が二つのグループに分けられる」というのは随分前から臨床的に言われていたことで、DNAの解析でそれが「裏付けられた」という訳です そして今回・・・・・、この研究では「大腸癌のRNAを解析してグループ分け」を試みました。 すると・・・・3つのグループに分けられました グループ1・・・・「DNA分類のnon-hypermutated」に相当 グループ2・・・・「DNA分類のhypermutated」に相当 DNAが違えば、RNAも違うので、ここまでは想定内の話・・・・ ところが 第3のグループが同定された訳です。 この第3のグループは「microsatellite ,hypermethylation,BRAF、KRAS」などの変異が「あるものもあれば、無いものもあり。DNAレベルでは統一的な特徴は記述できない」ということも解りました。 そして「非常に予後が悪い」「過形成ポリープと深い関係がある」「右にも左にも同率で発生」などが解ったということです。 このような高度な研究が発表される前から、臨床的に「第3のグループがあるのではないか?(Serrated Pathway)」という推測はありましたが、遺伝子レベルでの裏づけがありませんでした。 「DNA解析では認識されなかった「第3のグループ」が、RNA解析で同定され、以前からの臨床的な分類と符号した」という訳です。 どうして、DNA解析とRNA解析で食い違いが生じたのか? おそらく、上記のA君とB君の話と同じようなことなのでしょうが、その詳細は現時点では不明です。 |
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