悪魔は天使の生まれ変わり・・・・・・・
この「アミロイド」は本来、我々の脳内に生理的に存在し重要な働きをしています。しかし、変性し「異常型」になると「石のように固く」なり「蓄積」するのです。
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重要なことは「異常型アミロイド」が「正常型」に接触すると・・・「正常型」が「異常型」に変わります
このようにして「異常アミロイド」は「伝搬・増幅」されていきます。
このように・・・あたかも伝染病のように「自己増殖・感染」する、タンパクは「プリオン」と呼ばれます
アルツファイマー病マウスを使った実験で「アルツファイマーはアミロイドを介する伝染病の可能性」が指摘されました
正常アミロイドタンパクは、容易に分解されます。
しかし「異常アミロイド」は石のように固く「どんな方法でも分解されません」。オゾン・エチレンガス滅菌やオートクレーブ(高温高圧滅菌) にも耐性です
医療機器(これは内視鏡に限りません。内科医が風邪のときに喉を見るのに使う器具から外科手術器具まで全てです)に「異常アミロイド」が、付着した場合、これを除去することは現在の消毒技術では不可能です
より詳しい資料、今どのような対策を取るべきか?・・・本郷メデイカルクリニックのページをお読みください
難解ですが興味のある話を一つ・・・
かってプリオンは「奇病の原因」と考えられていました。しかし、今ではプリオンは多くの生物に多量に存在し「遺伝形式の一つ」であると考えられています。酵母を使った実験では「ある特殊な環境におくと異常プリオンを持つほうが優位で生き残る」ことが解っています
この様な比喩は患者さんに大変、不謹慎なのですが・・・・例えば「正常プリオンを破壊するウイルス」が人類に蔓延したとします。正常な人は全て死滅し「異常プリオンを持つ軽症アルツファイマーの方」だけが生き残り、進化した人として地球に残るでしょう・・・・そういう話です。
文献 Science October 21, 2010
感染性アルツハイマー病タンパク質が脳に侵入する
蓄積されたタンパク質を含むアルツハイマー病に関与する脳組織は、脳以外の体の部位に投与しても「感染」を引き起こすことが、マウスを対象とした新しい実験により報告された。今回の発見は、蓄積されたタンパク質が原因のアルツハイマー病およびその他の神経変性疾患の発症を解明するきっかけになるかもしれない。アルツハイマー病の特徴のひとつは脳内の神経細胞間でのアミロイド斑の蓄積である。アルツハイマー病の主要原因であるβアミロイドを含むアミロイドペプチドは、神経細胞内のアミロイド前駆体タンパク質(APP)から異常発生するタンパク質小片である。健康な脳ではこのような蓄積されたタンパク質片は分解除去されるが、アルツハイマー病患者では断片は蓄積し固く頑丈なプラークを形成する。最近のマウスモデルを使った試験結果から、βアミロイドを含む脳組織が健康な動物の脳に注入されると感染する可能性があることは明らかにされていた。今回Yvonne
Eiseleらは、βアミロイドが脳以外の場所に注入されても疾患を引き起こすことを証明した。研究者らが脳抽出物であるβアミロイドをマウスの体内に注入したところ、マウスは数ヵ月後にアルツハイマー病の症状を発症した。注入されたβアミロイドがどのように病気を引き起こしているのかはまだ解明されていないが、βアミロイドを抹消組織から脳へと移行させるメカニズムが存在しているのではないかと考えられる。(補足:消化管粘膜の下にはわずかながら神経細胞があります。したがって内視鏡で細胞検査・ポリープ切除などをおこなうと、この実験に極めて似た現象が起きます)