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再生医療が注目されています。ES細胞、iPS細胞という「様々な臓器に分化できる細胞」を使い難病を治療するというものです

パーキンソン病、ALS、心筋症、脳梗塞、肝硬変、腎不全・・などがまず治療の対象候補です


再生医療の第一人者
 山中伸弥博士

赤色が胚細胞
(様々な臓器に分化する)

「腸」では重症のクローン病で小腸を摘出した方に小腸を再生し移植するという治療が考えられます

大腸は基本的無くても困る臓器ではないので対象にはなりません

しかし小腸が無くなると栄養吸収ができないので患者さんは一生、点滴で栄養補給が必要になります

 

このような患者さんは多くはいません

注目すべきことに、この再生医療と「大腸ポリープ・癌の発生」は深い関係があります

未分化細胞は「ウイント蛋白」により「腸の幹細胞」になり「ノッチ蛋白」で分裂・増殖し「APC蛋白」で分化・増殖停止します

そして人の大腸癌・ポリープの「ほとんど全て」が、APC蛋白の機能の喪失が原因であることが判明しています

つまり、大腸ポリープというのは「腸の幹細胞(腺窩 cryptsと言います)の異常増殖のようなものなのです

培養した幹細胞を「分化した腸」にするためには「外からAPC蛋白」の機能を「与える」必要があります

そして、この方法は同時に大腸癌の治療にもなります

現在、政府は再生医療を「国の重点課題」と指定し多くの研究者と予算が投資されています

研究の「副産物「として新しい大腸癌の治療薬が開発される希望は「非常に高い」と考えます

 

 追加( Nature Cell Biology, 2010年04月26日 )

幹細胞が幹細胞の状態を維持するには「周囲に特殊な環境」が必要であると考えられています。大腸癌の、この「幹細胞・微小環境」にWNTとHGFが重要である(逆に言うなら、これらを阻害する薬は強力な大腸癌の治療薬になる)ことが報告されました。