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私の奇妙な内視鏡体験

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ピロリ菌と胃癌
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本郷メデイカルクリニック

 

 

 


 





 

 

私は3ヶ月前までは大腸の病気のことなど考えたこともなかったのですが、短期間のうちに4回も大腸検査をうけて「ベテラン」になってしまいました。
最後に検査を受けたS医師は「大腸・COM」で見つけたのですが、S医師から私の体験は貴重なので(?)ぜひ、投稿してほしいとたのまれて、お恥ずかしながら筆をとった次第です。

第一回目の大腸検査
市の検診で便を提出したら「便潜血が陽性です。精密検査を受けてください」との通知をうけとりました。近所で評判のいい胃腸科K先生を受診しました。優しい先生なのですが何となくたよりなさそうな感じがしていました。検査は15分位で終わりました。途中、何度か軽い痛みがありましたが我慢できる範囲でした。K先生から「大腸にポリープが1個あります。内視鏡で切除する必要があります。でもここでは入院などができないのでN医科大学病院を御紹介します」とのこと。
それでしたら先にN医科大学病院を紹介してくれれば、2度手間にならなかったのに…と思いつつ、仕事を休んでN医科大学病院を受診。混んでて時間がかかりましたが、担当のU先生はいかにも「その道のベテラン」という感じの方で、病院はホテルのようにきれいで看護婦さんも対応がよく「これなら安心してまかせられる」と思って帰宅しました。

第二回目の大腸検査
早くすましたいな…と思いながら検査台に横になり、U先生の内視鏡が始まりました。ところが、お腹が空気でパンパンにはり苦しくてしょうがないんです。いっそ、お腹に針をさして、空気を抜いてくれたら・・どんなに楽だろうと思いました。検査中、機械が腸にあたるのがわかり、強い痛みが何度もありました。なかなか検査がおわらず「まだですか・」と何度も聞いても看護婦さんが「もう少しだからがんばりましょうね」と答えるばかりで…。やがて、私の周りには5〜6人の先生が人だかりをつくり、先生方が交代でお腹を押したり、検査を交代したりしました。「もうやめてください」と言いたかったのですが、たくさんの先生が必死になって検査しており、とても言い出せず、陣痛のような苦しみを我慢していました。2時間近くたってようやく機械が一番、奥まではいりました。

ポリープが見つからない
30分位、かけてカメラがお腹の中をいったり来たりしたのですが決局、U先生が言うには「複数の医師で十分、確認したがポリープは見つかりません。おそらく、内視鏡で見えにくい場所にありのでしょう。レントゲン検査を後日、おこないましょう」とのこと。ここまでがんばったのに「えーどうして?」と思わず、叫んでしまいました。本当にがっかりしました

知人の紹介で第三回目の大腸検査
N医科大学病院でレントゲン検査を受ける気は無くどうしようかと途方にくれていました。
しばらくの間はポリープが悪いものだったらどうしよう、早く取らないと大変なことになるのでは・・という心配で一日中、落ち込んでいました。
親しい知人が「私の知り合いがM区のT先生に大腸ポリープを取ってもらたんだけど全然、痛くなかったそうよ」と教えてもらいました。
M区のT先生のクリニックは小さなところで、看護婦さんも若い人ばかりで「大丈夫かしら…」と思っていました。検査は睡眠薬を注射されてウトウトとしているうちに終わりました。検査後、T先生は「全部で5個のポリープがありました。全て、切除しました。」と淡々と説明しました。あまりにもあっけなかったので狐につままれたようでした。

2個が早期癌
10日ほどしてT先生からポリープの細胞検査の説明がありました。「切除した5個のポリープのうち、2個が早期の癌でした。早期のうちに切除したので手術する必要はありません。半年後に再検査しましょう」と淡々と説明をされるので驚いてしまいました。そんな前回の検査から1ヶ月経っていないのに、どうして5個もできたの?しかも癌なんて・・信じられない。という思いでした。T先生の言うことがあまりにも今までの経過とかけ離れているので、何かごまかされているような気持ちでした

HPで探して第四回目の大腸検査
同じ検査なのに、あまりにも結果が違うので納得できずインターネットで大腸内視鏡検査を調べて「大腸・COM」を見つけ掲載されていたS先生を訪ね、4回目の検査を受けました。新たなポリープはなく3回目の検査で悪いところは完全に治っている事が確認され、ようやく安心。S先生によるとM区のT先生というのは大腸内視鏡の権威で、内視鏡専門家ならだれでも知っている方とのこと。平坦な小さな癌は見つけるのが難しく、T先生はそれがものすごく得意な方らしいです。採点すると、M区のT先生の診断が100点満点、最初のU先生が50点、N医科大学の診断は0点とのこと。(S先生もかなり辛口の先生です)。しかし、同じ検査なのに、癌がこんなに簡単に見落とされてしまうというのは検査を受ける側にしてみれば非常に恐いことです。あのまま、2回目の検査で終わらせていたら…大変なことになっていました。S先生から私の体験は非常に貴重なのでぜひ、投稿してほしいとたのまれ、今回、文章にしてみました。

解説
どうしてこのようなことがおきたのでしょう?実は一般の方が考える以上に、微少な大腸がんの発見能力は医師による技術の違いが大きいのです。ほんの数年前までは「平坦な大腸がん」は見つかりませんでした。これは病気がなかったのではなく、ほとんどの医師が「見ていて見えない」=見落としていたからです。この方の体験談は有益な癌検査をうけるには、ただ受けて自己満足してもだめで、医師を厳しく選ばなければならないことを示しています