<症状>
突然、肛門が腫れて激しい痛みを起こします。膿で下着が汚れると「便がもれた」と勘違いする人もいます。重症になると高熱、全身倦怠をおこします。体力の無い方で、すぐに処置をおこなわないと敗血症をおこすことさえあります。
<原因>
わかりやすくいうと肛門にある小さな穴(陰か、といいます)に便の中のばい菌が入りこみ化膿することが原因です。丁度、歯のすきまに口の中のばい菌が入り込んで虫歯になるのと似ています。(むしろ、歯槽膿瘍に近い)。しかし、虫歯と違い、歯磨きで予防できるようなものではありません。
私たちの体には全員、「陰か」があり、毎日そこを便が通過しています。ばい菌が入り込むかどううかは「たまたま偶然の結果です。つまり、私たちは皆、この病気を起こす可能性があります。
ただ、肛門周囲膿瘍を起こし易い体質はあります。「陰か」が大きく深い人や下痢し易い人(下痢すると便が小かの中に入りやすくなる)、免疫力の低下している人(糖尿病の方など)などです。
<予防>
下痢をし、体力が落ちて体の免疫力(抵抗力)が落ちた時にかかりやすいので、注意しましょう
<治療>
外来でメスで切開して膿を出します。これでとりあえず症状はよくなります。
しかし、これは応急処置です。いずれ大部分の方が痔ろうに進展します。そうなると、入院のうえ、痔ろうの根治手術をする必要があります
アドバイス
肛門周囲膿瘍になった方は膿をだす応急処置をすると、症状が消えてしまい,入院の根治手術がわずらわしくなり病院にこなくなる方がいらっしゃいます(実はけっこう多い)。しかし、残念ながら、・・・・・忘れた頃に再発することが多いです。

膿がたまり赤く腫れて激痛がおきます。麻酔して切開して膿をだすと、痛みが消えます
・・・・・しかしこれは応急処置です。後日、ちゃんとした手術が必要です。

患者さんの声から
こんにちは 夏に肛門周囲膿瘍と言われ、近所の病院で 針をさして、膿を出してもらいました。 しばらく膿が出たり、止まったりしていましたが、最近は出ません。しこりもほとんど感じません。
肛門周囲膿瘍はそのまま痔瘻になるときき、 一応別の大きい病院へいってみたところ、 2時ぐらい方向の痔瘻といわれ、早めに手術したほうが、いいと言われました。
将来複雑化するかもしれないから、ということで。
それで質問です。痔瘻でも時にはそのまま治ってしまうこともあると聞きました。 膿がでなくなったということは、
1)治る可能性もあるんでしょうか。それとも手術すべきなのでしょうか。
2)どんな症状からそれを判断したらいいのでしょうか。 どうも現在自覚症状がないため、ふん切りがつきません。
ご意見を伺いたく質問させていただきました。よろしくお願いいたします。
肛門周囲膿瘍は大体1〜2ヶ月して炎症がおさまると痔ろうになります。 現在は症状がないようですが・・・・・・痔ろうにな ると、膿瘍のときのような激しい痛みではなく、にぶい痛みが持続的、
慢性的におこるようになります。 特に座ると痛みが強く仕事に集中できなくなります。 浅い肛門周囲膿瘍が痔ろうにならない場合もありますが、
たいていの痔ろうは肛門内にばい菌の進入する穴(原発口といいます)を完全に処置しないと 感染が持続します。軽いうちなら簡単な手術ですみますが放置し、複雑痔ろうにな
ると、手術が大変です。このようなことから日本の肛門科では「軽いうちに手術」という方針が一般的です (海外ではかなりひどくなってからのみ、手術すべきという考えもあります)
。もっとも、数年以上、放置しなければ重症度が大きく変わる事はありませんので、もう少し様子をみて「持続的な痛み」がでてから手術に踏み切るのもよいと思います。