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肛門機能不全

症状
文字通り、肛門括約筋が弱くなってしまい便を失禁してしまいます。軽症のうちは下痢の時だけ、すこし液がもれる程度なのですが、重症になりますと毎日のようにもれるようになります。患者さんはもらすまい1日に何度もトイレに駆け込むことになり悩みは深刻です。

原因
もっとも多いのは加齢によるもので特定の原因はないものです。また、昔痔ろうの手術(特に開放手術)をうけた方が若い時はなんともなかったのに、年をとってから失禁に悩むこともあります。その他、糖尿病神経の病気などが原因となります

診断
肛門内圧検査といいまして肛門に専用のセンサーを入れて「安静時の収縮(内括約筋の力)、ぐっと力んだときの収縮(外括約筋の力)を測り、どちらの筋肉がどの程度、低下しているのか調べます

最初の診断で大事なのは「本当に括約筋が弱い」のか「患者さんが神経質になって肛門がゆるいと思い込んでいる」のかの鑑別です。

治療
まず、下痢の時にもれることが多いので下痢止め、整腸剤にて下痢を予防することが基本です。
次に「バイオフィードバック」といいまして、肛門をしめる筋力トレーニングを毎日おこないます。毎日、腕立て伏せをすると腕力が強くなるように、肛門の筋肉も毎日のトレーニングでかなり強化されえます。
これらが無効なら、手術が考慮されます。括約筋を縫い縮める手術をおこなうのですが、限られた施設でしかおこなっていません。・・・他に電気刺激で筋肉を強めたり、筋肉を移植したり特殊な充填剤を局所注射したりなどの新しい方法が研究されています。