大腸肛門セカンドオピニオン |
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難しい質問です。医学的には「炎症性ポリープ」は腫瘍ではありません。したがって 生命保険の制限をすべきものではありません。しかし保険会社の規約でそうなってい
る以上、医師にはどうすることもできません。
担当した先生にお願いしてカルテの診断名を「大腸炎症性病変」と変えてもらい「大 腸ポリープ」の病名を削除してもらうようにお願いする(あるいはその旨がわかるよ
うな診断書をかいてもらう)のが医学的にも社会契約上も最も適切でしょう。
なお、もしポリープが「過形成ポリープ」(これも癌化しないという意味では炎症性 ポリープと同じです)であったなら、事情はかなり異なります。 癌化しないとはいえ「過形成ポリープ」は良性の腫瘍であり、「過形成ポリープ」が できたということは(特に多数できている人は)、何らかの「腫瘍体質」を示唆します。したがって保険加入を制限すること も医学的に正当になると考えます 参考
大腸でクラス3は非常に多いものです。しんぱいありません。胃でクラス3がでると結構、大事なのですが大腸は非常に多いものです。全く心配ありません。内視鏡で切除してしまえば何の心配も要りません
「1.5cm〜2cmほどのポリープは悪性(癌)」の記述は間違いです。「1.5c m〜2cmほどのポリープは 悪性(早期の粘膜内癌)のことがある」というのが正し
い表現です。速やかにポリープを切除すべきですが必ず治りますから悲観する必要は 全くありません。
ところで「1.5cm〜2cmほどのポリープは悪性(癌)」という記述はどこのサイ トにあったのでしょうか?
すでにポリープ切除が大腸癌を予防することは実際の人間を対象にした10年の 大規模な臨床研究で「結論」がでています。参考
NHKの放送は「特殊な場合」を述べたものです。研究室段階の「こういう可能性もあ るというデータ」と「大規模臨床試験のデータ」は価値が全く異なるものです
K病院で内視鏡検査したところ直腸ポリープがみつかり 過形成ポリープとの診断、今年1月に肛門から切除手術をうけました。
半年後の6月に再び内視鏡検査を受けたところ再び数個のポリープがあり、先生は 手術で取り残した根からまたでたものかもしれないと、こんどは小さいので内視鏡で取るとのこと。おもいきってJ大病院に変わりました。
そちらの診断では過形成ポリープは線種ではないのでガンの心配はないが半年である程度のおおきさに成長したのでこのままでいった場合排便がしにくくなるかもしれない。
しかし場所が肛門に近く平坦なポリープの為、手術では人工肛門のになる場合もあるとのこと。
りきれないかもしれないが取れる範囲で内視鏡で取ってみようということになりました。
過形成とはガンにはならないのですか?もしガンならないとしたらこのまま放っておいた場合、排便に支障がなければ手術を受けなくてもよいでしょううか?
難しい質問です。解答は二つあります。2番目の解答は私見です
(1) Serrated Adenoma といいまして細胞検査で、「過形成」に似ているのですが実は線腫(癌化の危険が低くありません)である特殊なポリープがあります。細胞検査だけだと病理が誤診することがあるのですが、手術材料では正確な診断がつきますので、・・・・この可能性は低いと思いますが・・・
(2)一般論として「過形成ポリープは癌化しない」というのが臨床の常識です。一般に過形成ポリープは数ミリのことが多く、放置してもかまわないとされています。・・・・しかし、まれに1〜2cmに達する平坦な過形成ポリープが見つかることがあります。このような特殊な場合には「過形成ポリープは癌化しない」という常識は成立しないと考えます。遺伝子の点でも「過形成ポリープ」にはAPCの変異が確認されており、低危険度の線腫という扱いが必要と考えます。内視鏡で切除できるだけ切除する・・という方針が最良と考えます
私の経験からは大きな過形成ポリープが多発し、「平坦型(LST様)過形成ポリポーシス」(私の造語です)と呼ぶべき方がいます。半年に一度、無理に無い範囲で内視鏡切除を繰り返して様子をみています
実は身内が大腸ガン検診で潜血反応があり、受診して内視鏡による 検査を受けました。結果、ポリープが2つあり、その際に組織をとって 病理検査したところ、ガン化しているとのこと。 ここでサイト内で勉強した私に疑問が湧きました。 確か出血を伴うようになってからではかなり進行していて、開腹手術でなくては ならないと記してあったとおもいます。 出血を伴っていても粘膜下に達していないこともあるのでしょうか?
「便潜血検査で粘膜内がんが見つかるか?」・・・・これは非常に重要な御質問です。
潜血検査は早期がんの大部分をみつけることはできません。
潜血反応が陽性の人と陰性の人を大腸内視鏡をおこなうと、同じ頻度で「大腸ポリープ」と「早期大腸がん」がみつかります。(有名なデータです)
そして進行がんは圧倒的に潜血反応が陽性の人の方に多くみつかります。
しかし、潜血反応が陽性の人の方の多くは何も異常がみつかりません(つまり出血源は痔ということ)。
つまり潜血検査は圧倒的に多い痔の患者さんと少数の進行大腸がんの方を検出しているのが実状で早期のがん(特に平坦型)が出血する可能性は低いのです。
御相談のケースは非常にラッキーにたまたま早期のうちに出血したか、たまたま痔があり(日本人の3人に一人は痔があり、いつ潜血反応が陽性になっても不思議はありません)陽性になったかのどちらかだと思います。
便潜血検査は早期がんの有効な検出になっていないというのは内視鏡専門医の多くには常識です。
お身内の方のように便潜血検査陽性となり検査を受けて早期がんを見つける方もたくさんいます。しかし、「毎年、便潜血検査を受けていて陰性なので安心していた。陽性になってから検査したら進行がんだった」という方をもっと多く私たちはみています・・・・
--- では便潜血検査は無意味か?・・・というとそうではありません。
大腸がんは進行がんでも手術で助かることが多いのです。
これは、たとえば、肺ガンと対照的です。
日本国民全体におこなっている便潜血検査は「日本人の大腸がん死亡を減らす」という国家的意義はあります。
しかし、「粘膜内がんのうちに治療したい」という個人の願望には不十分なのです
おそらくどこかで、何か勘違いがあるのではないかと思います。1センチのポリープがバリウムで見つかった場合、放置するということは専門家は決してしません。放置してよいポリープ(詳しく)かどうかは内視鏡をおこなえばわかりますが、バリウムではわかりません。・・・・やはり内視鏡をおすすめします。
Tuesday, August 22, 2000 at 09:21:05 (JST)前年の7月に、内視鏡検査&バリウム検査をしたところポリープが見つかり、6ヶ月ごとに検査をしていたのですが、今年の7月の定期検査で
肛門から10cmの所にポリープが見つかり、病理検査の結果でステージ4といわれました。 医師が「早くとりましょう」ということで8月19日に、除去術を受けました。
以上のことからお聞きしたいことは、まず、「ステージ」とは何かということと、「ステージ4」の状態とはどのような状態か(癌か否か)今後、このようなことが起こる可能性があるか否かということです。
性別は男性。年齢は24です。
ステージ4(正確にはグループ4)は「高度異型」といいます。グループとは細胞の「悪性度」を表す言葉です。「4」というのは「かなりガンに近いが完全なガンではない、少なくとも転移の危険性は無い。したがって内視鏡切除で十分であり、開腹手術は必要ない。」という段階です。(病理診断について詳しく)
残念ながら、SCさんは若年でこのような病気になられたことから、「体質的素因」があると考えるべきです。今後も定期的検査を欠かすべきではありません。
「大腸がんの遺伝」もお読みください
Thursday, August 31, 2000 at 21:54:13 (JST出血があるので、内視鏡検査を行い、S字結腸に4oのポリープが発見されました。
1週間後、細胞診断の結果を聞きに行くと、今は悪性ではないが、暴れん坊のポリープ なので、数ヶ月の内には、切除しなければならないと言われました。 ポリープのステージや、種類など、類推していただいてご意見を伺えればと思います。
よろしくお願いいたします。
おそらくグループ3程度の腺腫とおもいますが・・・・文面だけでは情報不足です。悩むより切除した方がよいでしょう。4ミリならなんの危険もなく外来で切除が可能です。
癒着がある場合は確かに検査は難しく、無理をすれば大事故になります しかし、経験豊富な専門医がいくつかのテクニック(細い内視鏡を用意したり・・)を使えば、成功率は99.9%以上になります すでに他の検査で大腸にポリープがあることが確認されており、しかも担当の医師が 一ヶ月後に再検査を考えていることから、ポリープはそれなりのものではないかと思 います。とりあえず専門医を探されるという選択肢がよいでしょう。 どうしても内視鏡が不可能な場合はバリウム検査を数ヶ月ごとにおこない、大き さの変化を厳重にフォローするのがよいでしょう
おそらくは若年性ポリープと思います。比較的、まれなものです これは子供にできるガン化の危険の低いポリープです 遺伝性はありません。切除後再発はまれです 小児外科の先生の検査切除は信頼していいのか 万が一穿孔した場合、生死にかかわるのか・・・・・・は病院の技術レベルによりま すのでコメントしにくいですが、通常小児外科の先生でなく内視鏡科の医師にまわさ れるはずです
Sent: Wednesday, May 09, 2001 9:32 AM Subject: 検査結果への質問検査の件で質問があります。結果は、小さいポリープが10個位あるといわれました。 特に切除する必要もないし一年後大きくなっていたら切除をする。と言われまし た。 しかし、ホームページではポリープは大腸癌に変化する。と書いてありますし、小 さ いポリープでも切除した方が良いように思えますが大丈夫でしょうか。 また、組織の検査もなかったようですがしなくていいのでしょうか
全てのポリープががん化するのではなく「がん化する可能性をもつ」ということで す。そして小さな(1〜2ミリ)ポリープは「可能性」は極めて小さい(ほとんど無 い)ので、全部を切除し腸が傷だらけにするのは、よい処置ではありません。組織の 検査も必要ありません。ポリープの形、大きさ、表面模様(ピットパターン)で組織 検査と同じだけの正確な診断ができます。
「悪性のポリープ(後にはガンになる)」と説明をうけたとのことですがおそらくは前ガン状態(グループ4 参考 )のポリープということでしょうか?
もし、そうでしたらガンになるまで経過を見ないで、なんとかして、治療をおこなうべきです。ガン化したら「転移」という危険があるからです。特に内視鏡切除後にできたガンは転移しやすいといわれています。(反論もあります)。
しかし、まだガン化していない段階ですと開腹手術はためらわれるのが通常です。
選択肢は二つあると思います
1、腹腔鏡手術をおこなっている病院をさがす(最近は大学病院や専門病院では大腸の腹腔鏡手術は非常に盛んです)
2、穿孔の危険を覚悟して内視鏡で切除する。不幸にして穿孔しても十分な治療をおこなえば1〜2週間の入院安静で治ることが多いです。(運が悪いと手術になると考えるべきです)
とりあえず「1年に1回」は妥当なところだと思います。グループ3のガン化率は非 常に議論になるところです。形態的にはグループ3と「高分化(おとなしい)ガン」
は全く区別がつかない(粘膜下浸潤で区別される)といわれています。病理診断する 先生によって判断がことなることも多く、学会でも問題となっています。しかし、グ
ループ3のポリープは非常に多くの方に見つかりますので、実際にガンになるのは、 そのほんの一部と考えられています。
かえって混乱したかもしれませんが「グループ3は必ず切除すべき。でも、切除して しまえば何の心配もない」と考えてください。 参考
Sent: Saturday, November 18, 2000 7:46 PM Subject: 是非、助けてください。ポリープ切除後、翌日昼過ぎから、強い痛みがあり、入院中・・・。これは何かミスが起きたのでは・・・。 初めての相談です。 内視鏡検査で虫垂(平成7年切除済み)、憩室付近にちいさなポリープが1つ見つかり、その 場で切除。その日は、「普段どうりの生活で・・・。」と指示をもらい帰宅。 昼食後(パン、ジュース)ポリープを取ったあたりが痛み出す。 午後3時すぎ、受診して痛み止めをもらうがおさまらず、午後5時過ぎ痛みに耐 えられず入院。 夜 発熱(39度前後)。痛み止め、抗生剤を点滴。下血あり 発熱、痛みあり。 主治医からポリープ切除部分あたりから、憩室あたりに炎症がみられ、このまま > 炎症がひかなければ手術でその部分を切除しなければならないと言われ、現在も状態をみている様子です。 今日は、白血球もさがり、熱も朝、昼は37度ぐらいですが、夜になると、再び > 発熱しています。痛みのほうは熱がでると痛みだすという > 状況です。下血は水のような下痢に少し血がついているくらい。 このままでよいのでしょうか?切除前は下血はあったものの痛みなど、なかった のに・・。これって、医療ミスでしょうか?
このように憩室内にポリープがあった場合、非常にわかりにくく気が付かないまま切除してしまうことが希にあります。憩室は非常に腸の壁が薄いため、憩室内に切除の傷ができると、そこで壁に穴があき、感染をおこし、膿がたまり憩室炎になります。おそらく、御主人は、この状態なのだと思います。早く、気づいて、必要な対応をすれば問題になりません・・・・・・しかし、かなり経験のある医師でないと
実際は難しく、直ちに医師を非難できないと思います。
また、 (一般論として)右側の大腸の憩室炎の多くは手術することなく、薬でなおります。
その後、主人の状態ですが、まだ炎症は残っているものの、憩室部分を切除する 手術はのがれました。 もう2,3日、絶食を続け、点滴と抗生剤で様子を診て、状態が良ければ、水か ら食事をとりはじめ、大丈夫であれば今月中には退院できる・・・。と主治医か ら話がありました。 今回、主人の入院を通じて、動揺し、不安があるならば、思い切って、セカ