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大腸検査のファーストチョイスは内視鏡ではく、CT検査(バーチャル大腸鏡)になる?

最近の技術進歩によりCTの解像度が上がり、癌化したポリープ、癌化の危険の高いポリープ(下記論文では進行新生物と呼んでいます。10ミリ以上の大きなポリープと、ほぼ同じ意味です)の発見率は内視鏡もCTも同じであり、大腸検査のファーストチョイスはCTにすべきであると主張する論文がありました(下記)

内視鏡とCTの解像度の差は広がっている
一般の方はCTの解像度が内視鏡に近くなった、と感じると思います。しかし、事実は全く逆です。CTの進歩以上に内視鏡の解像度は進歩しています。現在、市販されている内視鏡は毛細血管内を動く赤血球まで見えます(本郷メデイカルクリニクHPの表紙でビデオが見れます)。更に近日中に細胞核が見える内視鏡も市販される予定です。CTではここまでは見えません。今後、両者の解像度の差は更に広がると予測されます。その理由は内視鏡は本質的に家電のデジタルビデオカメラと同じものであり(メーカーも同じです)市場が医療機器よりはるかに、大きいため盛んな技術開発競争がおこなわれ、それが内視鏡にフイードバックされるからです。

現在の内視鏡は「見えすぎ」
今から20年近く前「内視鏡でポリープを切除すれば大腸癌が予防できる」という有名な報告が、米国でありました。しかし当時の内視鏡の解像度も医師の観察も現在と比べると非常に低いものでした。それにもかかわらず大腸癌が予防できたわけです・・・・現在の内視鏡は「実用以上に見えすぎる」という意見もあります

  • 当サイトの私見
    しかしながら反対にCTでは見つからない5ミリ以下の微小ポリープの癌化率は従来、考えられていたよりも高いという報告もあります。当サイトは「内視鏡派」ですので、下剤をかけて1日がかりの検査をする以上は、その時点の技術で最高解像度の検査をすべきと主張します。今後も内視鏡が主流であることは、ゆるがないと考えますが、お腹の癒着などで内視鏡の挿入が困難な人たちにはCTは「重要な選択肢」になると思います

 

左がCT内視鏡、 中央が通常の内視鏡、右が「細胞核の見える超拡大内視鏡」(昭和大学横浜市北部病院、井上晴洋博士の論文より引用 内視鏡学会誌vol49.11,p28119)



腸癌のスクリーニングはバーチャル大腸鏡から始められる

コンピュータ断層撮影で実行するバーチャル大腸鏡は検出率が光学的大腸鏡と変わらないのに、合併症のリスクが少ないことが比較試験で判った
Roxanne Nelson
Medscape Medical News


【10月10日】バーチャル大腸鏡とも呼ばれるコンピュータ断層コロノグラフィー(CTC)による進行新生物の検出率は光学的大腸鏡(OC)に変わらないことが報告された。『New England Journal of Medicine』10月4月号に発表された大規模比較試験のこの結果に基づくと、CTCを第1選択として必要に応じてOCを選択するのがスクリーニングの方針として望ましいと考えられる。

「バーチャル大腸鏡は大腸のスクリーニング法として有効であり、光学的大腸鏡に比べて合併症のリスクが少ない」と筆頭著者であるウィスコンシン大学(マディソン)放射線科のDavid H. Kim, MDが語った。光学的大腸鏡群では大腸穿孔が7例見られ、その損傷の修復手術が必要になった患者が4例あった。それに対してCTC群では手技に起因する穿孔などの深刻な合併症の例がなかった。「CTCは侵襲が小さく、一部の患者はこの方法を好む」とMedscape Oncologyのインタビューに博士は答えた。「スクリーニングの対象人口はきわめて不均一な集団であり、患者によってはある手法よりも別の手法を好むことがある」。

「紹介する医師からのよくある質問が、いずれはどちらも必要になるのにどうして患者はバーチャル大腸鏡を希望するのかというものだ」とKim博士は語る。「これはよくある誤解だと思う」。

実際は、最初のスクリーニングとしてCTCを実施した患者のほとんどがOCを行う必要がない。「検査結果のおよそ87%が陰性だ。陽性は13%しかなく、そのうち大腸鏡治療を実施した患者は8%しかいない。つまり、両方の検査を実施する必要がある患者は100人中8人しかいないということだ」とKim博士は述べる。

しかしながら、進行腺腫を癌腫に進行する前に切除することで大腸癌を予防ができる症例が実際に多くあるのだが、スクリーニング受診率はあいかわらず低く、理想にはほど遠い。「50歳以上の成人のうちスクリーニング未受診者がおよそ4000万人いる」とKim博士は語った。「プラスの影響をもたらすためには、今後ともいずれの手法も必要である」。

Kim博士らは、CTCとOCの並行試験として連続患者群3,120例に対して最初にCTCスクリーニングを、連続患者群3,163例に対して最初にOCスクリーニングを実施して、その診断率を比較した。主要転帰として、進行腺腫および腺癌の検出率および全ポリープ切除率を比較した。

ウィスコンシン大学では大腸癌スクリーニングの臨床プログラムが2種類確立されている。Kim博士の説明によれば「CTCによるスクリーニングを、従来の光学的大腸鏡によるスクリーニングとは独立して実施している。そのおかげで今回の試験が可能になった。手元にある2種類のプログラムの結果は、同じ地域に住み、同じ医師を紹介された患者群から得られたものであり、手法の選択は医師との相談の中で患者自身が行った。」

CTCで6 mm以上の大きさのポリープが発見された患者にはポリープ切除術を紹介した。ポリープの大きさが小さめで6-9 mmの患者には、ポリープ切除術に代わる選択肢として継続的なCTCサーベイランスも紹介した。最初にOCを実施した患者群では、発見されたポリープは大きさに関係なくそのほとんど全部が確立しているガイドラインに従ってOC手技中に切除された。

CTC手技で発見された進行新生物は全部で123例あり、そのうち14例が癌であった。OC手技で発見された進行新生物は121例あり、そのうち4例が癌であった。CTCスクリーニングを受けた患者のうち、大腸鏡に紹介された者は246例(7.9%)いた。

進行新生物が確認された例は2つの群で差がなく、最初にCTCを受けた群が100例(3.2%)、最初にOCを受けた群が107例(3.4%)であった。この数には、CTCで発見されたが経過観察を選択して切除しなかった小形ポリープ計193個があった患者158例は含まれていない。

「経過観察は安全に行うことができることを示すデータは、思われている以上に多い」とKim博士は説明する。「患者に6-9 mmのポリープがある場合には、患者には選択肢が与えられる。切除しても良いし、臨床試験審査委員会(IRB)からの承認済みの研究プロトコールの一部として画像経過観察を提供することもできる」。

2つの群では全体的な転帰は同じであったが、実施されたポリープ切除術の数には有意差があった。切除ポリープ数はCTC群が561だったのに対し、OC群は2434だった。

現在、大腸鏡スクリーニングでは見つかったポリープを大きさに関係なく手技中に切除しているが、CTCスクリーニングで大きめのポリープが1個か複数のポリープが見つかった場合には、患者には第2選択肢がなければならないとKim博士は強調し、さらに次のように述べた。「大腸鏡に紹介する高リスクポリープの患者をふるい分けることができたなら、経費、合併症、使用する資源を大幅に減少させることが可能になる。CTCでポリープ切除の方針を選択することで、高リスクポリープは切除し、低リスク群は経過観察するという方針を選ぶことができる。今回の試験において、いずれの方針も進行新生物の検出率は同じであり、ポリープ切除術に関しては大きく減らすことができた」。

現時点では経過観察スクリーニングを選択した患者の追跡データが限られている。患者の過半数が間隔を空けたCTCを待っており、6-9 mmのポリープが1個または2個ある患者のうち54例がCTC経過観察に戻り、小形ポリープが70個見つかった。このコホートではポリープの大部分(96%)において大きさが安定または縮小していた。10 mmという閾値には達してはいないが大きさが増大して切除したポリープは3個のみであり、組織検査で高度異形成が見られたポリープはなかった。

現在のところ、スクリーニング目的のCTCはMedicareの対象になっておらず、診断目的のみが対象になっている。とはいえ、米国内の払い戻しがないことの利点の1つとして、CTC研究に従事している者による質の維持が真に可能であるという点があると、Kim博士は言っている。

「状況が進展すれば、医師に適切な訓練を確実に施し、プログラムの質の選定基準をはっきりさせ、各施設が一定の基準を維持するのに役立つガイドラインができてくるだろうと思う」。

この研究の著者のうち3名は、C.B. Fleet社、Viatronix社、Medicsight社、Philips Medical Systems社、AstraZeneca社との間でさまざまな金銭的関係があることを開示している。その他の著者の開示情報では、関連する金銭的利害関係はない。




 




 

 

 

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