アメーバ原虫による大腸炎です。戦前は赤痢といえば「赤痢アメーバ」をさすくらいありふれた病気でしたが戦後、日本ではほとんど見られなくなりました。
しかし、最近、海外旅行にいった方(本人以外に家族がいかれた方でも)を中心に再び、小さな流行が見られます。大きな大腸の専門病院でしたら年に数例の患者さんが訪れます。
症状は「慢性的に持続する腹部不快感と粘液便」でおだやかなものが多いです。そのため過敏性大腸症や炎症性腸疾患、神経症、痔などと誤診されて放置されることがあります。しかし、放置すると肝臓に膿がたまり(肝膿瘍)死亡することもあります・・・・経験の多い内視鏡医なら確実に診断できます。